長野の地酒なら信州安曇野にある酒蔵大雪渓酒造

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日本酒あれこれ

日本酒基本講座 【1】

2017年01月04日

日本酒を取り巻く用語には 普段聞き慣れないもの がたくさんあるかと思います。
ここではその用語について、なるべくお客様に近い視点で説明してみようと思います。

私自身まだまだ勉強中ですが、少しでも日本酒を身近に感じて頂けるようになれば光栄です♪

長~いので、無理せず少しづつ読み進めてくださいね。


【1】成分等の用語説明
【2】日本酒を作る水と米
【3】日本酒の種類について
【4】酒を造る人々左党って?
【5】酒粕
【6】日本酒でキレイになろう♪


【1】成分等の用語説明
【1】-1 原料米
【1】-2 精米歩合
【1】-3 日本酒度
【1】-4 酸度
【1】-5 アルコール度
【1】-6 保存方法


【1】-1 原料米
酒造りには普通、普段私達が食べている「飯米(はんまい)」ではなく、
酒造用に品種改良された「酒米(さかまい)」と呼ばれる米を用います。
そして、その中でも特に酒造に適した酒米は「酒造好適米(しゅぞうこうてきまい)」といって、
食糧庁が都道府県単位で品種銘柄を定めています。

酒米の特徴は、「大粒で心白(しんぱく=米の中心部にあるでんぷん質)が大きく
よく溶けて吸収が早いこと
」にあります。

私達が食べて「美味しい」と思う飯米はたんぱく質が多く、
それがごはんの旨みになっているのですが、
お酒を造る時はそれがかえって雑味(ざつみ)となって、邪魔になってしまいます。
その他の特徴としては、普通の稲よりも背丈が高いことが挙げられます。
ですので、風などによって倒れ易いという性質を持ち、
普通のお米よりも作る際に手間がかかります。

<当蔵で使用している酒造好適米の特徴>

  • 山田錦(やまだにしき)
  • 酒米の王と呼ばれる米。大吟醸酒などの高級酒に多く使われています。
    昼夜の温度差が激しい、山麓地帯での栽培が適し、寒冷地での栽培には向きません。
    当蔵では「大吟醸山田錦」の原料に使用しています。

  • 美山錦(みやまにしき)
  • 長野県の「高嶺錦」という品種を改良して生まれた酒造好適米です。
    寒冷地での栽培に適している酒米で、当蔵のふるさと・穀倉地帯安曇野でも育てられています。
    当蔵の商品のほとんどは、この「美山錦」に支えられております。

  • ひとごこち
  • 長野県で 美山錦より良いお米 を目指して品種改良された酒造好適米です。
    大雪渓の「麹」は普通酒も全て、この ひとごこち を原料として贅沢に醸しています。
    蔵人、会社のみんなの家や契約農家の方々に栽培して頂いた特別なお米です。?-2 精米歩合
     
     
    【1】-2 精米歩合
    お酒の原料であるお米の磨き具合についての数値です。
     
    「原料米」の項でも触れましたが、
    日本酒ではお米の周りの部分(外側の部分)にある たんぱく質 が雑味となってしまう為、
    飯米に比べるとずっと手間をかけて外側の部分を削り取ります。
    簡単に言いますと、削っていない状態の米を100とした場合に、
    磨いた後の米を数字で表したものが「精米歩合」です。
    「精米歩合55%」というと、お米の約45%の部分を削り、
    残った芯の55%の部分を使ってそのお酒が造られていることを示します。
     
    大吟醸酒の場合 精米歩合は50%以下 と定められているのですが、
    これはつまり 米を半分以上磨いたもの ということになります。
    当蔵では「大吟醸・山田錦」は39%という精米歩合ですので、
    約6割の部分を削り取っていることになります。
    本当にお米の芯の部分で仕込んでいるわけです。
     
    【1】-3 日本酒度
    日本酒の比重を表す数字です。
    普通は「日本酒メーター」と呼ぶ比重計(浮き)を使って測定します。
    日本酒中の エキス分(主に糖分)が多いと比重が大きくなる ため、
    浮きが持ちあがり数値は小さくなります。
    逆に エキス分が小さくなると浮きは沈み、数値は大きく なります。
    従って、日本酒度の数値から、その酒のエキス分が多いか少ないかが分かります。
    日本酒のエキス分は主に糖分なので、
    日本酒度が小さいほど糖分が多い=甘口だろう、ということが分かります。

    しかし、日本酒の味は糖分だけで決まるわけではなく、
    酸度やアルコール分、飲むときの温度などにも大きく左右されますので、
    −1と+1の酒を比べてどちらが甘口である とは数値だけでは一概に言い切れません。
    数字が一人歩きすることを避けるためにも、
    日本酒度を甘辛の一つの判断材料として利用し、
    あとは実際に味わってみてフィーリングで自分に合うお酒を
    お探しになることをおすすめします。

    【1】-4 酸度
    酸度は、日本酒中の酸(おもにコハク酸、乳酸など)の総量で、
    100ml中の一規定の酸の量で表します。
    日本酒中の酸の量が多くなると、酸味が増すだけでなく、
    味が濃く感じられたり、辛口に感じられたりします。
    逆に酸の量が少なくなると、味が薄く感じられるようになります。
    日本酒度と酸度の組み合わせは、大雑把にまとめると以下のようになります。

    日本酒度
    −方向    +方向
    酸度    小さい   淡麗、甘口  淡麗、辛口
    大きい   濃醇、甘口  濃醇、辛口

    しかし日本酒度の項でも触れましたが、
    数値だけでは日本酒の味わいを判断することはできませんので、
    これも 一つの目安程度 に留めていただきたいと思います。

    【1】-5 アルコール度
    言葉の通り、日本酒のアルコール度数を示します。
    一般的に14〜16度くらいが普通ですが、
    アルコールを添加していない「純米酒」では 若干低め になります。
    加水せずアルコール度数を調整していない「原酒」では
    20度前後になるのですが、実はこの数値、世界の醸造酒の中で
    最もアルコール度数の高い酒 であることも示しています。
    ところで普段飲む日本酒の「14〜15度」という数字を聞くと、
    ワインとそんなに変わらないアルコール度数なのですが、
    「日本酒は強い」というようにイメージしてらっしゃる方も
    多くおられるのではないでしょうか?
    最近は飲み易さを考慮した、8%や12%くらいの日本酒も造られております。
    (※当蔵には今のところそのような低アルコール酒はございません)
    容量も手軽に楽しめる小瓶のものが主流ですので、お試しになってはいかがでしょうか?

    【1】-6 保存方法

    日本酒は生き物です。そもそも、酒の一升瓶が茶色である理由は
    日光を通さないようにするための工夫です。
    日本酒は 日光と高温 にとても弱く、
    光がこうこうと照らす電灯の下 や、
    日光が直接当たるような場所 に置いておくと、
    香りが変化してしまったり味が落ちたり、と品質が劣化してしまいます。
    一般に「常温保存」とある商品の場合、
    温度が20℃以下であれば数ヶ月保存してもそれほど大きな品質の劣化はありません。
    「要冷蔵」の商品の場合は5℃以下であれば数ヶ月の保存が可能です。
    しかし、家庭用の冷蔵庫ではこれほどの低温にはなりませんので、ご注意ください。
    長期に保存される場合は、氷温(0℃前後)での保存をおすすめ致します。

    日本酒は、種類によっても保存方法が異なります。
    酵母菌が生きている「生酒」は中でも 特に温度管理が大切なお酒 ですので、
    ご家庭では必ず冷蔵庫で保存をしてください。
    (5℃〜6℃くらいに保持されていないと変質してしまいます)
    そしてもちろん、きちんと冷蔵庫に入れて販売しているお店で
    購入されることをおすすめ致します。また、ほかの吟醸酒や純米酒、本醸造酒なども冷蔵庫での保存が理想です。
    但し、一升瓶の大きさでは冷蔵庫には入らないので、
    その場合は直射日光が当たらない、床下棚など
    一定の温度が保たれるような場所で保存することをおすすめします。

    開栓後のお酒についてですが、これも冷蔵庫での保管が一番です。
    冷蔵庫で保管が無理な場合は、高温の場所は避け、
    風通しの良い暗い場所に置き、できるだけ早く(なるべくなら数日中に)
    飲みきるようにお願いします。
    (参考文献:長野の酒 蔵元商品ガイド1999-2000/長野県酒造組合刊・他)