日本酒の香りの表現法

日本酒を評価するひとつの指標が香りです。一言で香りと言っても多種多様であり、それがどのような香りであるかを人に伝えるのは難しいものです。
ここでは日本酒の香りを表現する言葉にはどのようなものがあるかを紹介させていただきます。
代表的な香りの表現には以下のものがあげられます。
A.フルーティー
B.華やか
C.爽やか
D.ふくよか
E.熟成感
Aのフルーティーは《熟れた果実のような甘味のある比較的強い香り》で具体的にはバナナや洋梨、メロン、りんごやライチなどの果実香を比喩として用いられることがあります。
Bの華やかは《花や甘い果実の香りに例えられる吟醸香》のことで、アカシアやチューリップ、薔薇や梅などの花の香りが用いられます。
Cの爽やかは《柑橘系の果実のような酸を感じられる香りや植物系の青いスッキリとした香り》のことで、レモンやライムなどの柑橘系果物の他、三つ葉や笹などで表現されることもあります。
Dのふくよかは《米や穀物由来の旨味成分を感じさせるまさに日本酒が本来持つ香ばしさ》のことを表し、稲穂や餅などの穀物系のみならず、栗や落花生などナッツ系の深みのある香りなどが当てはまります。
Eの熟成感はその名のとおり《じっくりと熟成させた古酒が放つ重厚な香り》で、ナッツやカラメル、スパイスなどで表現されることがあります。
ここでは香りを表すほんの一部の例をあげましたが、実際はもっとたくさんの表現法があります。日本酒の特徴を誰かに伝えるときを想像しながら、お酒の香りを考えて嗜むのも面白いかもしれません。ぜひ大雪渓でもお試しください。