聞いたことはあるけど意味が分からない酒造用語【造り篇3】

新酒の時期になると「滓絡み (おりがらみ)」という名のついたお酒を稀に目にすることがあると思います。
あまり聞き慣れない言葉かと思いますので、ここで紹介させていただきます。
酒造の現場では『 滓(おり) 』ということばは普通に出てきますが、この滓とは《醪(もろみ)を搾った後に残る白い沈殿物》のことで、滓絡みはこの《滓》を取り除かずに瓶詰めしたお酒のことを指します。『 滓酒(おりざけ) 』と呼ばれることもあります。
滓絡みのお酒は酒米の旨味がより濃醇に感じられる傾向にあります。
一般的に搾った直後のお酒をそのまま瓶詰めすることは少なく、幾つかの工程を経て瓶詰めをしますが、その状態が名称となる場合があります。
上槽(酒をしぼる工程)を終えた酒の濁りを取り除くために時間をおき、滓を下げることを【滓下げ】と呼びます。
滓下げ後にまだ残っている細かい滓や雑味を取り除くことを【濾過】といいます。
更に飲みやすい度数まで水で割ることを【加水】、加熱殺菌をする事を【火入れ】といいます。
上記のように【濾過】をしない酒は《無濾過酒》、【加水】をしない酒は《原酒》、【火入れ】をしない酒は《生酒》となります。
滓下げもしない上槽直後のお酒が《無濾過生原酒 滓絡み》となるのです。